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その他の症状
(腎臓・泌尿器科)

性感染症

  • 性感染症とは?

    性感染症とは、「性的接触(性交やオーラルセックスなど)によって感染する病気」の総称です。そのほかには、STD(Sexually Transmitted Diseases)やSTI(Sexually transmitted infections)とも言われます。

    性感染症には10種類以上の病気がありますが、その主なものには、①性器クラミジア感染症、②性器ヘルペスウイルス感染症、③尖圭コンジローマ、④梅毒、⑤淋菌感染症(淋病)、⑥ケジラミ症、⑦エイズなどがあります。感染していてもはっきりとした症状がない場合もあり、自分自身が感染していることに気づかない場合も多くあります。予防や治療をしっかりと行う必要があります。

    性感染症は、感染していても症状でわかるものもあれば、自覚症状のないものも多々あります。病気の種類によっては、死に至るものもありますし、男女ともに不妊などの原因にもある可能性があります。もしご自身や相手に何か違和感があった場合には、勇気がいることですが、恥ずかしがらずに医療機関を受診しましょう。

    性感染症は、自分ひとりの問題ではありません。治療の際にパートナーと一緒に検査し治療していくことが大切になってきます。ご自身とパートナーとともに正しい知識を持ちながら、日常から予防対処し、健康な日々を過ごすようにしていきましょう。

  • 性感染症の症状

    性感染症の症状は、各病気によって違います。

  • ①性器クラミジア感染症

    日本で最も感染者が多いと言われている性病です。男女ともに症状を自覚しにくいため、感染していても気づかないまま相手へうつしてしまうことがあります。女性の場合には、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなりますので注意が必要です。

  • ▲男性の場合

    • 尿道から膿(うみ)が出る→膿はさらさらしたものから粘りのあるものまである。量は少なめ。
    • 軽い排尿痛がある
    • 尿道にかゆみや不快感がある
    • 軽い発熱や痛み
    • 精巣上体の腫れ(精巣上体炎・副睾丸炎)

    ※感染しても症状が出ないことも多くあり、治療せずに放っておくと、前立腺炎になることがあるので注意が必要です。

  • ▲女性の場合

    • おりものの量が増える
    • 不正出血
    • 下腹部の痛み
    • 性交時の痛み

    ※女性は不妊症や子宮外妊娠の原因になる可能性があります。感染していても全く症状のない場合が多く、放っておくと卵管炎を起こすことがあります。さらに感染が広がると骨盤腹膜炎や肝周囲炎を起こすことがあります。

  • 口腔感染の場合

    • のどの腫れ
    • のどの痛み
    • 発熱
    • 咽頭炎を起こす
    • 慢性の扁桃腺炎になることもある
  • ②性器ヘルペスウイルス感染症

    水泡が患部にできます。それが破れて潰瘍になり、強い痛みを伴います。口唇や顔などの上半身に出るヘルペスと、下半身に出るヘルペスは、同じヘルペスウイルスによる水疱ですが、厳密にいうとウイルスの種類が異なります。

  • ▲男性の場合

    • まず陰茎包皮の表面にピリピリ感やむずがゆさなどが生じる
    • 2~10日程度でかゆみがある1ミリ~2ミリ程の水ぶくれができる
    • 水ぶくれが破れて潰瘍になる
    • 強い痛みがあり、熱感がある
    • そけい部のリンパ節の腫れや痛みを伴う

    ※症状の出る主な場所⇒亀頭、陰茎包皮。太ももやおしり、肛門周囲、直腸粘膜にも出ることもあります。

  • ▲女性の場合

    • 水ぶくれや潰瘍ができる
    • 排尿することが難しくなる程の強い痛みが生じる
    • そけい部のリンパ節の腫れや痛み

    ※症状の出る主な場所⇒外陰部、膣の入り口、おしり。子宮頸管や膀胱まで感染が広がる可能性があります。

  • ③尖圭コンジローマ

    男女ともに似た症状が出ます。性器や肛門周辺にカリフラワーに似たイボができます。軽い痛みやかゆみがある場合もありますが、自覚症状はほとんどありません。尖圭コンジローマは、治療しても再発の頻度が高い性感染症で、自分に症状が出た場合、相手も感染していることがあります。相手に症状がなくても、数か月たってから症状が出る場合がありますので、注意してください。

  • ▲男性の場合

    ※症状の出る主な場所⇒亀頭、陰茎、包皮の内側、陰嚢(いんのう)など。肛門内や肛門周辺、尿道口にできることもあります。進行するとイボは大きくなり、数も増えます。

  • ▲女性の場合

    ※症状の出る主な場所⇒大小陰陰唇、膣前庭、膣、子宮頚部など。肛門内や肛門周辺、尿道口にできることもあります。進行するとイボは大きくなり、数も増えます。

  • ▲口腔感染の場合

    口腔内に感染する可能性があります。悪性化するタイプのウイルスであれば、口腔がん発生の可能性があるといわれています。

  • ④梅毒

    梅毒は、皮膚や粘膜の小さな傷口から病原菌が侵入し感染し、進行することによって血液内に進みます。ペニシリンの投与で治癒しますが、ペニシリンが発見されるまで梅毒は「不治の病」として恐れられていました。男女ともに症状は同様で、大きく4期に分かれます。

  • ◆第一期(感染して約3週間後)
    ⇒症状は放置しておくと2~3週間で消えます。

    • 痛みのないしこりができる
      感染したところ(性器や口、肛門など)の皮膚や粘膜に、しこりができます。その後、しこりの中心部が硬くなり盛り上がります。
    • 痛みのないリンパ節(太ももの付け根の部分)が腫れる
  • ◆第二期(感染して約3ヶ月後。病原菌が血液に入り、全身に広がります。)
    ⇒症状は3ヶ月から3年続き、自然に消えます。その後しばらくは無症状が続きます。

    • ピンク色の円形のあざができる
    • 身体の中心線にあたる部分を中心に顔や手足にできます。
    • 赤茶色の盛り上がったブツブツができる
      大きさとしては、小さければ小豆くらいの大きさからエンドウ豆くらいの大きさのものができます。
    • 脱毛症状
  • ◆第三期(感染して約3年以上経過)

    • しこりができる
      皮下組織に大きめのしこりができます。結節性梅毒疹やゴム腫などと言われています。しかし、現在では、ほとんどみられなくなっています。
  • ◆第四期(末期症状)

    • 心臓・血管・神経・目などに重い障害が出る
      現在ではほとんどみられなくなっています。
  • ⑤淋菌感染症(淋病)

    ▲男性の場合

    • 尿道から膿(うみ)が出る→膿の量は多く、黄色いで粘りのあるもの。
    • 激しい痛みの排尿痛
    • 尿道にかゆみや不快感がある
    • 発熱
    • 尿道炎
    • 陰嚢の腫れ(精巣上体炎)

    ※主な感染場所⇒尿道

    放置しておくと、前立腺炎や血精液症になることもあります。また、精巣上体炎では、陰嚢(いんのう)部が激しく痛みことがあり、両側の精巣上体炎になった場合は、治療後に無精子症になることもあるので要注意です。

  • ▲女性の場合

    • おりものの量が増える
    • 不正出血
    • 下腹部の痛み
    • 性交時の痛み
    • 子宮頸管炎を起こす
    • 腹腔内に侵入した場合、骨盤内で様々な症状が出るので要注意
    • 尿道炎を併発することも少なからずある

    ※女性の感染者は、感染したまま放っておくと卵管炎や骨盤腹膜炎を起こします。
    症状を感じない場合が多いので、結果として、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなる可能性があります。

  • ▲口腔感染の場合

    • のどの腫れ
    • のどの痛み
    • 発熱

    ※咽頭の淋菌感染は、症状が出ない場合が多いので要注意です。
    ※性器感染に比べて、治療に時間がかかります。
    ※咽頭だけ感染することもあります。

  • ⑥ケジラミ症

    ケジラミとは、吸血性の昆虫(体長1ミリ前後のシラミの一種)です。
    主に陰毛に寄生して人間の血を吸います。

    ▲男女ともに同様の症状

    感染部の激しいかゆみ

    ※主な感染場所⇒陰毛。肛門周囲、わき毛、胸毛などの体毛。場合によっては、頭髪やひげ。
    ※何も感じない人もいます。
    ※かゆみがあるが、湿疹が出ないことが特徴です。
    ※下着に黒色の点状のシミ(ケジラミの血糞)が付くがあります。

  • ⑦エイズ

    • 熱がある
      ⇒薬を飲んでも下がらない微熱がずっと続く
    • 慢性的なのどの痛みがある
    • 身体の筋肉に痛みがある
    • 乾燥した咳が続く
      ⇒風邪とは違い、抗生物質や咳止めの薬を飲んでも効果がない
    • リンパ節の腫れがある
      ⇒主な部位:首、脇の下、鼡径(そけい)部。異常なほど腫れあがる事もあります。
    • 慢性的な頭痛
    • 吐き気、下痢、嘔吐による体重の減少がある
    • 慢性的な疲労感がある
      ⇒休息をいくらとっても全く緩和しない程の疲労感があります。
    • 皮膚発疹がある
      ⇒発疹が赤く腫れあがり、かゆみや皮がむけたりします。特に性器や顔などの温かく湿った部位では、水ぶくれになったりします。
    • 夜に汗を大量にかく
      ⇒寝ている時に汗を大量にかき、起きた時にびしょ濡れの状態になります。
    • 口にヘルペスが頻繁にできる
    • 何の症状もない(上記の症状がない)

    ※上記の症状に多く当てはまる方は一度検査をしてみてください。また、HIVかどうか心配な方は早めの検査をおすすめします。ご相談ください。

  • 当院の治療法

    ①性器クラミジア感染症

    クラミジアに効果のある抗生剤を処方しますので、服用してください。2週間後に、検査を受けていただき、クラミジアが陰性になっているか確認をして治療は終了です。

  • ②性器ヘルペスウイルス感染症

    単純ヘルペスウイルスの増殖を抑制する薬を5~10日間分処方します。軽い症状であれば、軟膏塗布(なんこうとふ)をしていただきます。水疱、潰瘍が治っても、ヘルペスウイルスは神経節というところに潜伏します。現在、神経節に潜伏するウイルスを消滅させて完治させることはできません。過労やストレス、セックス(性交渉)などの様々な原因でウイルスが再び活性化して皮膚や粘膜に現れ、症状が再発することがあります。
    繰り返す再発には、ウイルスの再増殖を抑える治療がありますので、医師にご相談ください。

  • ③尖圭コンジローマ

    多くの場合、外科的治療を行います。内容としては、電気メスや炭酸ガスレーザーによる焼却・液体窒素による凍結療法などでの切除、軟膏を塗布する方法があります。
    イボが切除され、治療後、最低3ヶ月は再発がないことを確認する必要があります。
    現在のところ、表面上のイボを取り除くことはできますが、それ以上の治療はできません。目で見てイボがなくなってもウイルスが潜伏している可能性がありますので、最低3ヶ月は様子を見ましょう。

  • ④梅毒

    治療薬のペニシリンをそれぞれの病期に応じて処方しますので服用していただきます。充分な治療をしても、効果の確認に時間がかかることが多く、定期的な診察や検査を行い、完治したか確認します。梅毒に感染しているとHIV(エイズウイルス)にも感染している可能性があるため、HIV検査を受けることを勧めることがあります。

    薬の服用期間の目安

    第一期梅毒の場合 2~4週間
    第二期梅毒の場合 4~8週間
    第三期梅毒以上の場合 8~12週間
    治療が必要な無症状の梅毒で感染時期が不明なもの 8~12週間
  • ⑤淋菌感染症(淋病)

    単回療法として、抗生剤の点滴注射を行います。1回の注射でほとんど完治します。抗生剤を投与してから7日後に再検査を行い、治癒したかどうか判定しますので、必ず再検査を受けてください。

  • ⑥ケジラミ症

    一番確実な方法としては、ケジラミが寄生している場所の毛を全て剃ることです。ケジラミを殺虫するために専用のパウダーやシャンプーなどの殺虫剤で寄生している場所を洗います。目安の期間としては、2週間程繰り返していただきます。治ったと判断するのは、ケジラミと卵がすべて駆除され、かゆみの症状がなくなるまでです。

    ※パウダーの場合では、ケジラミの寄生している場所に適量を散布し、1~2時間置いておき、その後洗い落としてください。
    ※シャンプーの場合は、適量を陰毛に塗り、5分後に洗い落としてください。
    ※パウダーもシャンプーも卵がかえる期間を見込んで3~4日毎に3~4回繰り返してください。卵には効果が弱いです。
    ※陰毛以外にも寄生している可能性がありますので、十分にご注意ください。
    人から離れたケジラミはある一定期間(およそ48時間程度)生存している可能性がありますので、衣類や寝具などを熱処理やドライクリーニングすることをおすすめいたします。

  • ⑦エイズ

    日本国内におけるHIV感染症の治療は、全国各地にある「エイズ治療拠点病院」で行われます。エイズ(HIV)の治療を行っていく場合には、その病院を紹介します。

    エイズウイルス(HIV)は少し前まで死に直結する病気でした。現在の医療では、体内からエイズウイルス(HIV)を完全になくすことはできません。しかし、HIVに感染してもエイズ発症を抑える方法が出てきています。
    エイズ(HIV)の治療は、抗HIV療法が主な治療法になります。この治療法はすぐに治療を始めるわけではなく、定期的な検査を行い、HIVのウイルス量や健康状態などを見て、総合的に判断し、治療開始します。
    HIVの治療に最も大切なのは、「継続して治療を行っていくこと」です。薬の副作用や生活環境の変化など様々な問題が出てくると思いますが、医師に任せるだけでなく、ご自身の生活パターンなどを考慮して、自分自身が積極的に治療方針の決定に関わっていくことが大切になってきます。

ED(勃起障害)

  • ED(勃起障害)の症状

    ED(勃起障害)は、正常な勃起が起こらないことや維持できないことを指します。より細かく言うと、陰茎が十分に硬くならず膣内への挿入が困難なことや、性行為中に陰茎の効果が持続できないことなどがあればEDと診断されます。 中程度であれば症状にばらつきがあり、性交がまったくできないわけではないですが、完全EDと呼ばれる状態では勃起が起こらないため性交が全くできない状態におちいります。
    国内には1000万人を超える該当者がいるといわれており、60歳を超える男性では半数程度がEDと予想されています。

  • ED(勃起障害)の原因

    ED(勃起障害)は加齢のほか、糖尿病や高血圧症、喫煙や脂質異常も関連しますが、神経や血管に問題が起こっている場合にも見られます。また、精神的ストレスが関与する心因的EDもあり、日常生活のストレスのほか、性交自体への不安やパートナーとの緊張関係でもEDが発生することがあります。

男性更年期障害(LOH症候群)

  • 男性更年期障害(LOH症候群)の症状

    男性更年期障害(LOH症候群)は加齢男性性腺機能低下症候群とも呼ばれます。
    症状は精神症状と身体症状に分けることができます。
    精神症状で代表的なのは、記憶力や集中力の低下、気力や性欲の減退、イライラしやすくなることや不眠のほか、鬱におちいりやすいことも知られています。
    身体症状では勃起不全や勃起障害などのEDの諸症状で男性機能が低下することや、筋力の低下や倦怠感、頻尿や骨密度低下、めまいや頭痛、耳鳴りや身体の痛みなど多岐にわたります。
    また、更年期障害の特徴として、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な疾患を起こしやすいことやメタボリックシンドロームのリスクが上がることも注意すべき点です。
    「加齢に伴って起こる仕方ない症状」と考えてしまうことが多く、症状が幅広いこともあって診療につながらない人が目立ちますが、治療によって改善できることは多いですし、放置するほど悪化しますから、思い当たる症状があれば、ぜひ当院にご相談ください。

  • 男性更年期障害(LOH症候群)の原因

    男性更年期障害(LOH症候群)は、加齢や日常のストレス、生活環境の変化などで、急激に男性ホルモン(テストステロン)が低下することによって引き起こされます。特にストレスの影響は大きく、緊張状態が続いていると大脳がテストステロンを作らないように作用します。
    また、加齢による影響は徐々に表れる場合もあり、このような場合は診断されにくいことがあります。日本国内では比較的最近診断されるようになったこともあるので、専門性を持つ泌尿器科に相談することをおすすめします。

AGA

  • AGAの症状

    AGAは男性に見られる脱毛症の代表的なもので、頭頂部や額の生え際の髪が薄くなる症状があります。日本人男性の3割程度が発症するといわれており、薄毛はどんどん進行していきますから、放置することなく、まずはお気軽に当院にご相談ください。

  • AGAの原因

    AGAの原因には遺伝的なものもありますが、日常生活上の悪影響や、ホルモン分泌量の変化などさまざまな要素が考えられます。
    毛髪を語る際には、成長期、退行期、休止期というヘアサイクルを知ることが重要です。AGAになると毛髪が太く長くなる成長期が短くなるので、髪が細く短いまま抜けるのです。この現象は血行の悪化で栄養分を届けにくくなることや、ヘアカラーなどを使用したダメージなどで顕著になります。
    また、脱毛後にジヒドロテストステロンという男性ホルモンの濃度が上がることも成長期を短くする要因と言われています。

腎機能障害

  • 腎機能障害の症状

    腎機能障害は、何らかの原因で腎臓の機能が低下して、体内の老廃物の排泄が不十分になっている状態です。
    初期の段階では自覚症状が出ないことがありますが、喉の渇きが激しく、以前より明らかに水分補給をしているとき、身体のだるさが長く続くとき、食事は変わりなくとっているのに体重が減少しているときなどは腎臓に異常がある可能性があります。
    腎臓の機能低下が続くと、人工透析や腎臓移植を必要とする状態になることもあるので、早めに専門性を持つ医師の診断を受けましょう。
    その他にも、以下のような症状は腎臓が悪化している場合が多いです。

    • 異常にのどが乾いて水分を大量にとってしまう
    • 食事の量は変わっていないのにどんどん痩せてしまう
    • 常に身体がだるく疲れやすい
  • 腎臓の病気

    腎炎から腎不全へ

    腎炎(腎臓に炎症が起きた状態)は、毒素や細菌感染などの要因で起こります。急性の場合と慢性の場合がありますが、腎機能低下が進むと「腎不全」と呼ばれる状態におちいります。
    急性腎不全では排尿が減って尿毒症を起こすことがありますが、慢性腎不全の場合、時間をかけて腎機能が低下していきます。

  • 慢性腎炎

    腎臓の炎症は、腎硬化症、急性進行性腎炎、糖尿病性腎症、慢性腎炎、膠原病に由来する腎症などに分けることができます。
    急性の腎炎であれば、血尿が出ることやむくみが激しくなるなどの症状が出ます。しかし、膠原病や糖尿病進行から腎炎が慢性化する場合は、平均的に進行が遅く急激な症状が現れることがないため、本人も気づかないまま進行することがあります。このような理由から、検査で発見されるか、疾患が進行してから発見されるかのどちらかが多い特徴があります。進行して腎機能低下が顕著になると、疲労感やむくみが現れますし、体内の老廃物が排出できなくなるので尿毒症などのリスクが上がり、透析や腎臓移植の必要が出てきます。このような状態にならないように、ぜひ当院で検査を受けて早期発見に努めましょう。

  • 腎不全とは

    腎臓の疾患が慢性化し、本来の機能の3割以下に落ちた状態を腎不全と呼びます。
    腎臓は体内の老廃物や電解質、水分を尿として排出する重要な役割を持っています。その際、糸球体と呼ばれる網でろ過を行うのですが、この網がつまって機能が失われるのが腎不全です。
    慢性腎不全になると、老廃物が身体にたまることから、多くの悪影響が起こります。また、慢性腎不全は治癒できない状態なので、透析や腎移植で対処する以外ありません。

    糖尿病と腎不全

    近年の透析を始める方の原因を見ると、糖尿病から腎不全に至る方が最も多いことがわかっています。
    糖尿病は血糖値がコントロールできなくなる疾患で、さまざまな疾患を併発する特徴がありますが、腎臓疾患もその中で注意すべき一つです。糖尿病を発症して10年以上経過した人は発症リスクが高く、尿たんぱくが検出されれば特に注意を要します。
    腎臓の機能低下が進むと全身にむくみを生じるようになり、透析を必要とすることになりますから、糖尿病を発症しないことや、悪化させないことを心がけましょう。

  • 腎盂腎炎

    腎盂腎炎(じんうじんえん)は感染症が原因で起こる腎臓疾患です。腎盂というのは尿管と腎臓を結ぶ部位で、腎臓が作った尿を膀胱に送る役割を持っています。
    腎盂に炎症が起こるのは、尿道に侵入した細菌が逆流して感染する場合が多く、時には身体のほかの部位で起こった感染が腎臓に運ばれて炎症を起こす例もあります。
    急性の腎盂腎炎では、背中に痛みを感じたり、高熱や悪寒などの症状が出たりします。

  • その他の感染症

    腎膿瘍

    腎膿瘍(じんのうよう)は、血液を経由して起こった感染で腎臓内部に膿の袋ができる疾患です。発熱のほか、腰や背中の痛み、だるさや疲労感、悪寒などが起こります。

  • 膿腎症

    腎機能が低下して排尿に支障が起こり、腎盂腎炎と同様に高熱や悪寒などの症状が出ます。悪化すると生命に関わることもあります。

  • 腎周囲炎、腎周囲膿症

    腎臓内の炎症が周囲に波及することや、身体の別の部位で起こった感染に由来する場合があります。