花粉症の症状
発熱はせず、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった3つの症状のいずれか、もしくは全ての症状を発症することがこの病気の特徴です。
それに伴い、下記のような症状も表れます。
- 睡眠不足
- 集中力の欠如
- イライラ・むかむかするといった心理的影響
- 副鼻腔炎(いわゆる“蓄のう症”)の併発
花粉症の原因
花粉症は季節性のアレルギー性鼻炎です。
鼻や喉・耳・目などの皮膚に、植物の花粉が接触することによって、下記のような症状を引き起こします。
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻詰まり
- 喉・耳・目のかゆみ
- 咳
花粉症を引き起こす原因として一般的な花粉はスギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉・ヨモギ花粉が挙げられます。
アレルギー体質の人が増加している背景には食生活や住環境の変化が挙げられます。
また、PM2.5や黄砂などによる大気汚染といった要因も花粉アレルギーを助長する原因として考えられています。
当院では花粉症の原因を特定するため、どのような物質にアレルギー反応を起こすかを測定する血液検査を行っています。
当院の治療法
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まずは原因となる花粉を避けるよう、注意してください。
マスクは口と鼻の両方が隠れるマスクをしてください。一般的にかけるメガネであっても、目に入ってくる花粉の量は何もしていない時の3分の1程度にまで減らすことができると言われています。
また、服は表面が起伏のないタイプ(ツルツルした素材)であれば、花粉の付着は最小限に抑えることができます。
昼間に窓を開けないようにしたり、洗濯物や布団を外に干さないようにしましょう。
アレルギー症状を悪化させる原因には不規則な生活リズム・睡眠不足・過労・ストレスを挙げられますので、これらを避けることも症状軽減に有効です。ただ、花粉を完全に遮断することは厳しいため、例年症状が続く方にはお薬の内服、点鼻薬(鼻腔に直接噴霧するもの)を処方しています。目の症状がある場合には点眼薬も必要となる場合があります。
薬は日々効能が高まっており、以前よりも副作用(眠気、口の乾燥感など)が抑えられ、より身体に負担が少なくなっています。花粉飛散開始時期前にお薬を服用して症状を最小限に抑える初期療法も実施しております。
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ゾレア®皮下注
「ゾレア🄬皮下注」は、「分子標的薬」と呼ばれる技術を利用した注射薬です。気管支喘息や慢性的な蕁麻疹への治療効果があることに着目され、日本国内でも2009年から認可を受けて使用されています。 この薬はアレルギーの原因物質(ターゲット)をブロックする抗体として機能することがわかってきたので、2020年にスギ花粉症の治療にも適用されるようになりました。 スギ花粉症に悩む人の中には、これまで使われてきた薬剤の効果がみられない例もありますが、ゾレア🄬皮下注はそのような人にとって大きな希望になっています。 ただし、副作用が認められることや医療費がかかることもあって、当院では事前の説明をていねいに行い、納得していただいたうえで投与しています。
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こんな効果が期待できます
- 目のかゆみの改善
- くしゃみ・鼻水・鼻詰まりの改善
- QOL(生活の質)の改善
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対象となる方
- 12歳以上
- 体重が20~150kgの範囲内
- 鼻アレルギー診療ガイドラインにおいてスギ花粉症の重症もしくは最重症
- 過去に鼻噴霧用ストロイド薬および内服薬による治療を受けたものの、効果が乏しかった
- スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
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主な副作用と注意すべき症状
- 副作用として、注射をした部分の腫れやかゆみ、赤みが出ることがあります。
- 急激なアナフィラキシーが起こる可能性があり、身体のかゆみや蕁麻疹、立ちくらみや呼吸困難、のどの腫れが出ることがあります。また、まれではありますが生命にかかわることもあるので、接種後2時間程度は当院の近隣で待機していただくこと、症状が出た場合早急に連絡していただくことをお願いしています。
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舌下免疫療法
スギ花粉症の発症をなくす可能性のある舌下免疫療法を当院では行っております。他の治療法と比べた際に長期的な効果がある治療法です。
但し、免疫療法であるため治療期間は2年~5年かかると言われています。
- 免疫療法は身体にアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)を低濃度から身体に取り込み、徐々に濃度を上げることで身体をアレルギーに慣れさせます。そうすることで、アレルギー反応を減少させる治療法です。
そのため、舌下免疫療法は下記のような患者様に推奨しております。
- スギ花粉の症状がひどく、薬だけでは完全に抑えきれずに悩まれている方
- 眠気など副作用のある花粉症の飲み薬や点鼻薬を減量、中止したいとお考えになられている方
- 日々の投薬を習慣化することに意欲のある方、抵抗の無い方
- 根本的に体質を変えて、長期にわたる効果を期待している方